【2020年チェス世界選手権サイクル】2020 Candidates Tourament出場枠配分決定

  2月18日、FIDEは2020年に開催される、世界王者Magnus Carlsenへの挑戦者を決める大会「CandidatesTournament」の出場枠配分を発表しました。

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  では、8つの出場枠を一つ一つ見ていきましょう。

 

A.2018年世界選手権タイトルマッチ敗者(1枠)

  この枠は前回のタイトルマッチでCarlsenに敗れたGM Fabiano Caruanaに与えられます。

 

B.2019年FIDE World Cup成績優秀者(2枠)

  World Cupは、レーティング上位のプレーヤーと各大陸、ゾーン(地域)選手権を勝ち抜いたプレーヤー合計128人によるノックアウト式(勝ち抜き戦)の大会です。テニスのグランドスラムと同じ形式、参加人数です。この大会で決勝まで勝ち進むと、Candidates出場枠が与えられます。

  ただし、現役世界王者Carlsenと出場枠確保済みのCaruanaが決勝に勝ち残った場合、次点のプレーヤーに出場枠が与えられます。

 

C.2019年FIDE Grand Swiss成績優秀者(1枠)

  新設されるスイス式大会、FIDE Grand Swissの優勝者に1枠が与えられます。大会の詳細はこちらの記事でどうぞ。

dame-chess.hatenablog.com  世界王者Carlsen、あるいは上記A、Bの項目で既に出場権を確保しているプレーヤーが上位に入った場合、次点のプレーヤーが繰り上がって出場枠を獲得します。

 

D.2019年FIDE Grand Prix Series(2枠)

  FIDE Grand Prixとは、FIDEが世界のトップ選手を招待して開催する一連の大会です。

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  全4大会が開かれます。各大会は16人の選手が参加するノックアウト式で行われ、順位に応じてポイントが与えられます。Grand Prix Seriesの全4大会が終了した時点でのポイントを合計し、シリーズ総合順位を決めます。

  シリーズ総合順位の上位2人に、出場枠が与えられます。上位2人に上記のA、B、Cのいずれかのルートで出場枠を獲得しているプレーヤーが含まれる場合、次点のプレーヤーが繰り上がります。

 

E.平均レーティング(1枠)

  2019年2月期から2020年1月期の間に発表された、各プレーヤーのFIDE公式レーティングの平均値を計算し、最も平均値の高かったプレーヤーに出場枠が与えられます。

  該当するプレーヤーが現役世界王者Carlsenか、AからDのいずれかのルートで出場権を確保している場合、次点のプレーヤーが繰り上がります。

  前回2018年の世界選手権サイクルではこの平均レートの枠が2枠だったのですが、今回のサイクルではGrand Swissに1枠が与えられたため、1枠に減っています。

 

F.CandidatesTournament主催者推薦(1枠)

  ワイルドカードです。主催者推薦といっても誰でも選んでよいというわけではなく、以下の条件を一つ以上満たす必要があります。

1.Eの平均レートで上位10人以内

2.World Cupで出場枠を取れなかったプレーヤーのうち最上位(繰り上げがあった場合、4位以上)

3.Grand Swissで出場枠を取れなかったプレーヤーの最上位

4.FIDE Grand Prix Seriesで出場枠を取れなかったプレーヤーの最上位

  前回2018年サイクルのワイルドカード条件は「2017年のいずれかの時点で一度でもレート2725以上を記録している全てのプレーヤー」でした。前回に比べ、厳しい条件になっていると言えるでしょう。

 

チェスプレーヤーとして最高の称号である「世界王者」を目指し、世界中のプレーヤーが競争します。ファンとしては、丸一年をかけた激しい戦いを存分に楽しみたいところです。