FIDE World Cup開幕!

  2日から、FIDE World Cupが開幕しています。

 

1.FIDE World Cupとは

  国際チェス連盟(FIDE)が2年に一度開いている世界大会で、世界のトップ選手に加え、地域予選を勝ち抜いたプレーヤー128人が出場します。チェスの大会では採用の少ない勝ち抜き戦(ノックアウト方式)を採用していることが大きな特徴です。

  128人のノックアウト方式トーナメントというと、テニスの四大大会と同じ形式ですね。

 

  開催地はジョージアトビリシジョージアはかつてチェス大国ソ連の一部であり、現在も国別ランク17位の強豪国です。来年には同じジョージアのバトゥミでチェス・オリンピアードも開かれます。

 

2.チェスの勝ち抜き戦について

  チェスでは白(先手)が黒(後手)より有利であると言われています。したがって、チェスでノックアウト式の大会を実施する場合、ラウンドごとに各プレーヤーが白・黒同数ずつを持ってミニ・マッチを行うのが一般的です。

  FIDE  World Cupでは、最初の40手に90分、残りのゲームに30分(なおゲーム開始から一手ごとに30秒加算)という「Standard」のFIDE公式レーティング対象となる持ち時間で2ゲームのミニ・マッチを行い、より多くのポイントを獲得したプレーヤーが次のラウンドに勝ち進みます。

 

  2ゲームのマッチでは、1勝1敗になることも2引き分けになることもあります。スコアが同点の場合、「タイブレーク」として持ち時間を短くしたミニ・マッチを行います。一度のタイブレークで決着が付かない場合、持ち時間を更に短くしてもう一度ミニ・マッチを思います。

  FIDE World Cupでは、一度目のタイブレークで25分(一手10秒加算)、二度目のタイブレークで10分(一手10秒加算)、三度目のタイブレークで5分(一手3秒加算)という持ち時間が設定されています。

 

  では、三度のタイブレークすべてを消化してもスコアが同点の場合はどうなるのでしょうか。この場合、「アルマゲドン」といって1ゲームで勝者を決めます。この「アルマゲドン」ではただでさえ有利な白を持つプレーヤーに持ち時間がより多く与えられます。しかし、ゲームが引き分けの場合、黒を持つプレーヤーがマッチの勝者とされます。

  FIDE World Cupアルマゲドンでは白に5分、黒に4分が与えられます。持ち時間の加算は60手目以降から、一手につき3秒となっています。

 

3.Candidates Tournament出場権争い

  FIDE World Cup 2017の成績上位者2名には、2018年に開催されるCandidates Tounament=世界王者Magnus Carlsenへの挑戦者を決める大会への出場権が与えられます。つまり、FIDE World Cupは世界王者へ通じる道なのです!実際、前回のWorld Cupで優勝したKarjakinはCandidates Tournamentでも優勝し、Carlsenに挑戦しています。

  レーティング(最低でも2700後半レベルが必要)やFIDE GP(招待された世界ランクトップ100級プレーヤーしか出場できない)といった他のルート出場権を取れそうもないプレーヤーは、World Cupを通じて一発逆転で出場権を狙っています。

 

4.出場選手

  前述したCandidates Tounamentへの出場権がかかっていることもあり、World CupにはFIDEレーティング2700を超えるプレーヤーの殆どが出場します。世界のスター選手が一堂に会するわけですね。

  今大会は現役の世界チャンピオンであるMagnus Carlsenが参加することでも注目されています。過去のWorld Cupには現役チャンピオンは出場してこなかったので、これまでの慣行を破って出場するCarlsenの戦いぶりは大いに話題になることでしょう。

 

  2700+のスター選手の他に、地域ごとに行われる大陸選手権やゾーン選手権を勝ち抜いたプレーヤーや女子世界選手権の優勝者、世界ジュニア選手権の優勝者もFIDE World Cupに出場します。これら多様なプレーヤーの奮戦は大会序盤の見どころです。

  レーティング下位の地域代表やジュニア選手が2600後半から2700+の超強豪に対して善戦し、時には番狂わせを演じることもあります。今大会はどれだけの番狂わせが見られるでしょうか?

 

5.生中継で楽しもう!

  FIDE World Cup大会公式サイトで映像及び棋譜の生中継が行われています。映像はlivesreaming、棋譜中継はChess24を利用しています。映像には英語で解説がつきます。

  これらのサービスはすべて無料。インターネットで気軽にFIDE World Cupを楽しみましょう!