Tardewise Gibraltar Chess 2018開幕!

  22日、Tardewise Gibraltar Chessが開幕します。
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公式サイト
www.gibchess.com


概要

大会名 Tardewise Gibraltar Chess Masters
開催地 英領ジブラルタル
賞金 優勝賞金25,000英ポンド(詳細は公式サイト
方式 スイス式10ラウンド・オープン制

主な参加者

名前 所属連盟 FIDEレート 備考
Levon Aronian アルメニア 2797 アルメニア国内ランク1位、2017FIDE World Cup優勝
Maxime Vachier-Lagrave フランス 2793 フランス国内ランク1位
Hikaru Nakamura アメリカ 2781 前年度Gibraltar Chess Masters優勝
David Navara チェコ 2749 チェコ国内ランク1位
Pentala Harikrishna インド 2745  
Le Quang-Liem ベトナム 2737 ベトナム国内ランク1位
Nikita Vitiugov ロシア 2792  
Vassily Ivanchuk ウクライナ 2726 ウクライナ国内ランク1位
Michael Adams イングランド 2709 イングランド国内ランク1位
Richiard Rapport ハンガリー 2700 ハンガリー国内ランク1位
Boris Gelfand イスラエル 2753 イスラエル国内ランク1位
Ju Wenjun 中国 2572 女子世界ランク2位
Andrey Esipenko ロシア 2571 16歳以下世界ランク2位
Nihal Sarin インド 2524 14歳以下世界ランク1位

公式サイトの他、各種棋譜中継サイトでリアルタイムの棋譜配信が実施されます。
昨年はYoutubeの大会公式アカウントで映像の生中継も行われました。おそらく今年も実施されるはずですが、どうなるでしょうか……。
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注目ポイント

1.最高レベルのオープン大会

  GibraltarはFIDEレート2700超えのGM12人が集います。出場資格を問わず、自由にエントリーできるオープン大会としてはChess.com Isle of Manなどと並んで世界最高レベルの大会です。

2.数多く、幅広い参加者層

  Gibraltarの最上位クラス、「Masters」には246人がエントリーしています。参加者レーティングに下限が設定されていないため、FIDEレーティング1500台のプレーヤー*1から2800近い世界最高レベルのプレーヤーが同じ舞台で戦うことになります。大会序盤にはレート差の大きいカードが組まれ、「ダビデとゴリアトの戦い」などとと言われたりします。大抵は「ゴリアト」側のGMたちが力の差を見せつけて勝っていくのですが、大盤狂わせが起きることもあり、楽しめます。

3.女子の世界上位ランカーが集結

  女子世界ランク1位のHou YifanはTata Steelとの日程重複のため不参加ですが、今大会には女子世界ランクトップ10のうち7人が集まります。Gibraltarでは女性プレーヤーのみを対象として賞金が提供されており、女子選手の最高成績者は15,000英ポンドを勝ち取ります。女子世界ランク2位のJu Wenjun、ウクライナのMuzychuk姉妹ら、女性トッププレーヤーの戦いにも注目していきたいところです。

4.神童たち

  大規模なオープン大会というと、やはりジュニア選手の活躍が楽しみですよね!今大会にはロシアの15歳Andrey Esipenko、インドの13歳Nihal Sarinがエントリーしています。
  Esipenkoは昨年末の世界ラピッド/ブリッツで大健闘して上げましたね。特に対Karjakin戦で見せたこの一手は評判になりました。


  Nihalは最近ツイッターアカウントを開設、情報発信にも熱心です。ミュンヘン空港での待ち時間にもブリッツを行い、準備(?)に余念がありません。
  2人とも2500超のFIDEレーティングを持っていますが、まだGMタイトルは保有していません。彼らはこの大会を通じ、GMタイトル獲得に必要な「GMノーム」を獲得できるでしょうか?

5.Battle of Sexes

  毎年恒例になりつつある大会期間中のお遊びイベント。出場者が「男性チーム」と「女性チーム」に分かれ、カジュアルな雰囲気で対局が行われます。昨年の「Battle of Sexes」はこんな様子でした。
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6.プレーオフ

 最終日の対局を終えて同点で1位に並ぶプレーヤーが出た場合、BuchholzやSonneborn–Bergerなど大会成績によるタイブレークを用いず、早指しによるプレーオフで優勝者を決定します。優勝を賭けたブリッツ、というシビれる対局が見られるかもしれません。

*1:将棋で言うとアマ初段?

非実在ギャンビット

  「ギャンビット」とはチェスの序盤定跡の種別です。序盤の段階で自分の駒を捨てる代償に何らかの別の優位性の獲得を狙う定跡が「ギャンビット」に分類されます。

  キングス・ギャンビット、ダニッシュ・ギャンビット、ハロウィーン・ギャンビットなど様々な「ギャンビット」がありますが、「ギャンビット」の中には実際にチェス盤上で指されていない「ギャンビット」もあります。

 

1.ローガン=アスキス・ギャンビット

  ローガン=アスキス・ギャンビットはハリイ・ケメルマン著「九マイルは遠すぎる」に収録された短編小説「エンド・プレイ」に登場する架空の序盤定跡です。

  「九マイルは遠すぎる」は、いわゆる「安楽椅子探偵もの」の古典として知られます。探偵役のニッキィ・ウェルト教授が関係者からの聞き取りや現場の写真をもとに鮮やかに事件を解決していくのです。

  「エンド・プレイ」では、殺人事件の現場写真に写っていたチェス盤にローガン=アスキス・ギャンビットの局面が並べられており、チェスの盤駒が真相解明の手掛かりの一つとなります。

  ニッキィ教授の聞き手を担う語り手の「わたし」によると、ローガン=アスキス・ギャンビットはこんな定跡だそうです。

さし始めの手としては非常に危険率が高いんで、実戦にはほとんど使われない。しかし、僧正の位置が有利に進むところなど、ちょっと面白い手だ。

 2.フォン・グーム・ギャンビット

  フォン・グーム・ギャンビットはヴィクター・コントスキーの短編小説「必殺の新戦法」*1に登場する架空の序盤定跡です。若島正が編纂したチェス小説短編集「モーフィー時計の午前零時」に収録されています。

  長らく冴えないプレーヤーであったフォン・グームは、「必殺の新戦法」であるフォン・グーム・ギャンビットを引っ提げ、連勝街道を突き進みます。並みいるマスターをなぎ倒す「フォン・グーム・ギャンビット」に脅威を感じたチェスの強豪プレーヤーたちは、フォン・グーム・ギャンビットに対してある対策を講じることとなります。

  フォン・グーム・ギャンビットが脅威となる理由や対策の内容を明かすと重大なネタバレになってしまうのでこの場では明かせませんが、「必殺の新戦法」は荒唐無稽なチェスほら話として楽しく読める一遍となっています。

 

3.バールストン・ギャンビット

  バールストン・ギャンビットは物語に登場する架空定跡ではなく、推理小説で用いられる作劇上の技術を表す用語です。小説内のキャラクターが身元不明の遺体*2を作り出し、特定のキャラクターの死を偽装する行為のことを「バールストン・ギャンビット」と呼びます。

  「ギャンビット」に含まれる「駒を犠牲にする」という意を織り込んでいるという点で洒落ていますね。

 

4.シシリアン・ギャンビット

  「シシリアン・ディフェンス」は有名定跡の一つですが、シシリアン・ギャンビットは医療用語です。なんでも、抗不整脈薬の分類法に「シシリアン・ギャンビット」と呼ばれるものがあるそうです。

  

photo-pharmacy.com  門外漢には何が何やら……。

  名前の由来についてはこちらのウェブサイトに情報がありました。

シシリアン・ガンビット 新しい不整脈薬物治療剤のあり方

  元になったと思われる英文も見つかりました。  

www.ncbi.nlm.nih.gov  概要の一部を引用します。

The Queen's Gambit is an opening move in chess that provides a variety of aggressive options to the player electing it. This report represents a similar gambit (the Sicilian Gambit) on the part of a group of basic and clinical investigators who met in Taormina, Sicily to consider the classification of antiarrhythmic drugs.

  シチリア島で開かれた会議+クイーンズ・ギャンビットでシシリアン・ギャンビットになったようです。この名称を選んだ人々もチェス好きだったのでしょう。

 

 

  創作に架空のチェス定跡を登場させたり、新しい用語を作る時にチェス定跡用語を滑り込ませたりして、新たな非実在定跡を生み出していくのも面白いかもしれませんね。

*1:原題はVon Goom's Gambit

*2:首なし遺体、焼死体といったあたりが定番でしょうか

2018 Tata Steel Chess開幕!

  2018年最初のスーパートーナメント、Tata Steel Chessが13日に開幕します。
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公式サイト
Tata Steel Chess

概要

大会名 Tata Steel Chess Masters
開催地 オランダ・Wijk aan Zee
賞金 非公表
方式 1回戦総当たり13ラウンド

参加者リスト

名前 所属連盟 FIDEレート 備考
Magnus Carlsen ノルウェー 2834 世界ランク1位、現世界王者
Fabiano Caruana アメリカ 2811 アメリカ国内ランク1位
Shakhriyar Mamedyarov アゼルバイジャン 2804 アゼルバイジャン国内ランク1位
Wesley So アメリカ 2792 2017年全米選手権優勝、前年度Tata Steel Chess Masters優勝
Vladimir Kramnik ロシア 2787 ロシア国内ランク1位、元世界王者
Peter Svidler ロシア 2768 2017ロシア選手権優勝
Viswanathan Anand インド 2767 インド国内ランク1位、2017世界ラピッド優勝、元世界王者
Sergey Karjakin ロシア 2753  
Anish Giri オランダ 2752 オランダ国内ランク1位
Wei Yi 中国 2743 20歳以下世界ランク1位
Maxim Matlakov ロシア 2718 2017欧州選手権優勝
Hou Yifan 中国 2680 女子世界ランク1位
Baskaran Adhiban インド 2655  
Gawain C B Jones イングランド 2640 前年度Tata Steel Chess Challengers優勝

公式サイトの他、各種棋譜中継サイトでリアルタイムの棋譜配信が実施されます。
公式サイトの「Live Games」
Youtubeの大会公式アカウントで映像の生中継も行われます。
www.youtube.com

注目ポイント

1.チェス界のウィンブルドン

  Tata Steelは前身の大会を含めると開催80回を数える伝統ある大会です。その歴史と伝統から、近年では「チェスのウィンブルドン」とも呼ばれます。

2.世界王者Carlsen

  2017年のCarlsenはクラシカルの大会*1での優勝が一回のみ*2。注目を集めたWorld Cupでもまさかの三回戦敗退と振るわず、「不調」を指摘する声も上がりました。とはいえ、年間通算のトーナメント・パフォーマンス・レーティングは2807*3を記録しFIDEレートの世界ランク1位を堅持、早指しでの強さも相変わらず。今回のTata Steel Chessでも優勝争いに絡んでくることでしょう。

3.地元オランダ代表Anish Giri

  GM Anish Giriが地元オランダから参加する唯一のプレーヤーです。堅実な指し回しによる引き分けの多さから、GiriはSNSで「引き分けといえばGiri」というネタにされています。こんなコラ画像が作られたことも……。

*4
とはいえ、スーパートーナメントで引き分けを連発できるのも非常に強いプレーヤーだからこそ。今大会では強さを勝ちに繋げられるでしょうか。

4.世界最強の女Hou Yifan

  長らく女子チェス界を引っ張ってきたJudit Polgarが現役を退いた現在、Hou Yifanは他の選手を大きく引き離して女子世界ランク1位を独走中です。昨年はBiel International Chess FestivalにてインドのHarikrishnaやウクライナのPonomariovら男性の一流GMを従えて優勝を飾っています。

5.最年長と最年少

  参加者中最年長は48歳のAnand、最年少は18歳のWei Yiです。昨年末の世界ラピッドで優勝し引退説を封じ込めたAnandと、昨年のTata Steelでも活躍し、華やかなタクティカル・プレーで注目されるWei Yi。どちらのプレーヤーも良いパフォーマンスを見せてほしいものです。

6.Challengersも熱い!

 Tata Steel Chessでは最高峰の「Masters」クラスに加え、アマチュア向けの大会などサイドイベントも行われます。その中でも特に注目されるのが「Challengers」と呼ばれるMastersの一つ下のクラスです。ChallengersはMastersと同じ1回戦総当たり13ラウンドで行われ、優勝したプレーヤーは翌年のMatersに招待されます。昨年のMastersを盛り上げたAdhibanやWei YiもChallengersの優勝経験者です。今年はChallengersから新たなスターが生まれるでしょうか?

7.出張チェス

  Tata Steel Chessでは「Chess On Tour」と題して美術館やサッカーのスタジアムなどメイン会場以外の場所でゲームを行う企画を実施しています。
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今年はHilversum市とGroningen市を訪問するそうです。

*1:標準レーティング対象となる長い持ち時間で行う大会

*2:Isle of Manでの優勝

*3:https://twitter.com/TarjeiJS/status/940283209614536707

*4:Bobby Fischerの自戦記「My 60 memorable Games」にかけたネタ

セントルイスでカスパロフと戦うGMたち 

  元世界チャンピオン、ガルリ・カスパロフの参加が発表され、大いに注目を集めるセントルイス・ラピッド&ブリッツですが、他の出場者についてはチェス観戦勢以外にはあまり知られていないと思います。

  そんなわけで、簡単な出場者紹介を作ってみました。

1.Fabiano Caruana

生年 1992
所属連盟 アメリカ
FIDEレート(世界ランク) 2807(3位)
  • 母がイタリア出身で、イタリア籍でプレーしていた期間が長かった。2015年にアメリカ籍に戻した。
  • 幼少期はブルックリン在住。映画「ボビー・フィッシャーを探して」に登場する名コーチ、ブルース・パンドルフィーニに師事していた時期もある。
  • 2014年Sinquefield Cupで現役世界王者のカールセンら世界のトップ選手を相手に7勝3分と驚異的パフォーマンスを披露。
  • ゲーム部門でフォーブス誌の「30 Under 30」に選ばれる。

2.Sergey Karjakin

生年 1990
所属連盟 ロシア
FIDEレート(世界ランク) 2773(12位)
  • 出身はクリミア半島シンフェロポリ。かつてはウクライナ籍でプレーしていた。
  • 史上最年少の12歳と7ヶ月でGMの称号を獲得。この記録は現在も破られていない。
  • 昨年世界王者のタイトルをかけて現王者のカールセンに挑戦。早指しのタイブレークまで持ち込んだが、敗れた。

3.Hikaru Nakamura

生年 1987
所属連盟 アメリカ
FIDEレート(世界ランク) 2792(7位)
  • 父が日本人で日本風の名前を持つが、日本を離れたのは2歳の頃なので日本語は殆ど話せない。
  • 15歳でGMの称号を獲得。当時ボビー・フィッシャーの持っていたアメリカの最年少GM記録を更新した。*1
  • 持ち時間3分や1分といった超早指しが得意。インターネットの対戦サイトChess.comに頻繁に登場し、世界のマスターを相手に勝ち星を積み上げている。
  • レッドブルがスポンサーについている。

4.Viswanathan Anand

生年 1969
所属連盟 インド
FIDEレート(世界ランク) 2783(10位)
  • インド初のグランドマスターにして、元世界チャンピオン。2013年に現世界王者カールセンとのタイトルマッチに敗れて失冠。
  • 出身地にちなみ「マドラスの虎」の二つ名を持つ。愛称は「Vishy」
  • 1990年代から現在に至るまで世界トップレベルのプレーヤーとして戦い続けている。
  • カスパロフとは1995年に世界王者のタイトルをかけて戦った間柄。この時はカスパロフに軍配が上がった。

5.Ian Nepomniachtchi

生年 1990
所属連盟 ロシア
FIDEレート(世界ランク) 2751(15位)
  • フォーラムや情報サイトでは「Nepo」と略されることが多い。*2
  • DOTAやハースストーンで遊ぶゲーマーとしても知られる。ゲームのロゴやキャラクターをあしらった服を着てチェス大会に出場することも。
  • 2014年に世界ブリッツ、2015年に世界ラピッドで2位に入った。

6.Levon Aronian

生年 1982
所属連盟 アルメニア
FIDEレート(世界ランク) 2799(5位)
  • 強豪国アルメニアで国内ランク1位。00年代から世界トップレベルで活躍を続けている。
  • 世界王者への挑戦者を決める大会に5回出場しているが、まだ挑戦権獲得は果たせていない。
  • 今年はGRENKE Chess Classic、Norway Chessと世界レベルのプレーヤーが集まる大会で二度優勝している。
  • CNNによれば、チェスのデビッド・ベッカムらしい。

7.David Navara

生年 1985
所属連盟 チェコ
FIDEレート(世界ランク) 2737(26位)
  • チェコ国内ランク1位。チェコを代表するプレーヤーとして、年一回プラハに招かれた世界のトップ選手と一対一のマッチを行っている。
  • 負けても穏やかな表情を崩さないため、インタビューでファンから「どうやって落ち着きを保っているのか」と質問される。

8.Le Quang Liem

生年 1991
所属連盟 ベトナム
FIDEレート(世界ランク) 2739(23位)
  • ベトナム国内ランク1位。2015年、フォーブス誌ベトナム版で「30 Under 30」に選出される。
  • チェス奨学生プログラムを持つアメリカの大学に留学していた。今年卒業。
  • 2013年世界ブリッツ優勝。
  • 今夏はワールド・オープン(米国)→儋州GM(中国)→セントルイス・ラピッド&ブリッツ(米国)→チェス・ワールド・カップ(ジョージア)と大陸間を移動して大会に参加する予定。

9.Lenier Dominguez

生年 1983
所属連盟 キューバ
FIDEレート(世界ランク) 2739(24位)
  • キューバ国内ランク1位。ラテンアメリカのトッププレーヤー。
  • 2008年世界ブリッツ優勝。
  • 今年はここまでネット棋戦以外の大会出場なし。

*1:現在の最年少記録保持者は13歳でGMになったSamuel Sevian

*2:「ネポなんとかさん」扱いされてることも

カスパロフ現役復帰! 引退から復帰までの道のり

  今月、元チェス世界王者、ガルリ・カスパロフが12年の時を経て再び競技会に復帰します!チェス界では、久方ぶりの正式な大会でかつての王者がどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、大いに期待が高まっています。

en.chessbase.com

 

1.引退

  2005年に開かれたリナレス国際チェス大会の最終戦後、カスパロフは記者会見の中で、職業的なチェス競技から引退すると発表しました。

en.chessbase.com

  当時、カスパロフが持っていたレーティング*1は2812で世界ランクは1位。ロシアの後輩クラムニクに世界王者の称号を譲っていたものの、世界的なチェスの第一人者としての地位を保ったまま、余力を残してのの引退だったと言えるでしょう。

  リナレスでの引退宣言以降、カスパロフ国際チェス連盟(FIDE)のレーティング対象となる公式戦には一切出場していません。

 

2.引退後のカスパロフとチェス

  引退後のカスパロフはロシアの民主化を主張する政治運動家としてロシアのプーチン政権批判を展開。2008年にはロシア大統領選挙の野党候補者にも選ばれました。*2

  また、最近では人工知能と人間の関係について考察する本「Deep Thinking」を執筆、TEDでも同様のテーマで講演を行っています。今後はテクノロジーと人間の関係という分野でもカスパロフの発言が増えていくかもしれません。

 

  さて、活動家、著述家として知られるようになったカスパロフですが、チェスとの関りが全くなくなったわけではありません。

  チェス関連の著述の他、多面指しイベントやエキシビションマッチなど公式なレーティングのつく競技会以外のでチェスを指すこともおこなっています。

  エキシビションではかつての宿敵アナトリー・カルポフとも戦ったことがありますが、日本人の我々にとって記憶に新しいのは将棋のプロ棋士にしてチェスでもFMタイトルを保有する羽生善治さんとの対決でしょうね!

ex.nicovideo.j

 

3.セントルイスでの二度のエキシビション

  今回の復帰にあたり、復帰戦と同じ会場・主催者のもとで行われた二度のエキシビションマッチに言及しておくべきでしょう。

 

  2015年、カスパロフは早指しでGMナイジェル・ショート*3と対戦しました。

  ショートとカスパロフは1993年に世界王者をかけてタイトルマッチを戦いました。カスパロフは05年にチェス競技の世界から退きましたが、ショートは世界ランク100位以内を保ち、現在も現役のプレーヤーとして戦い続けています。

  現役選手ショートに対し、引退して久しいカスパロフがどんな戦いを見せるのか、という構図だったのですが、蓋を開けてみるとカスパロフの圧勝。

www.chess.com

あるニュースサイトには「セントルイスの虐殺」の見出しが躍ったほどです。

 

  2016年には全米選手権の上位3人にカスパロフを加えた4人でブリッツ(超早指し)のエキシビション大会が実施されました。この上位3人はいずれも当時の世界ランクのトップ10に入る現役バリバリのトップ選手たち。

  カスパロフの力は現役の世界トップ10プレーヤーに通じるのか、と注目を集めたこのエキシビションカスパロフは1位に1.5ポイント、2位に0.5ポイントの差*4で4人中第3位でした。レーティングのつかない「花相撲」とはいえ、このクラスのプレーヤーたちと互角にやり合う姿を見せました。

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  この2度のエキシビションで、カスパロフは早指しでは現役のトップ選手に劣らない力を持つことを示したと言えます。

 

4.2017年8月、カスパロフ復帰

  そして、2017年8月14日から19日にかけて行われる大会、セントルイス・ラピッド&ブリッツにおいてカスパロフが12年ぶりにFIDE公式戦に復帰することになったのです。

grandchesstour.org

  セントルイス・ラピッド&ブリッツはその名の通りラピッド=早指しとブリッツ=超早指しの大会です。この大会で行われるゲームは2012年に新設された「ラピッド」と「ブリッツ」部門のFIDE公式レーティング対象ゲームになります。

  参加選手はカスパロフを含めて10人。昨年のエキシビションに参加したアメリカのトップ選手3人ら一線級の選手が参加します。

  大会は「ラピッド」セクションと「ブリッツ」セクションに分かれます。ラピッドでは25分+一手ごとに10秒ディレイ*5持ち時間で1回戦総当たり、ブリッツでは3分+一手ごとに2秒ディレイの持ち時間で2回戦総当たりを行い、合計ポイント*6の多いプレーヤーが優勝となります。

  賞金総額は150,000米ドル、優勝賞金は37,500米ドルです。

  大会の模様はYoutubeで実況・解説を付けて生中継されます。

 

5.大会後のカスパロフはどうする?

  さて、カスパロフは今後本格的に競技チェスに復帰していくのでしょうか?高まる期待に対し、カスパロフはこんな言葉でくぎを刺しています。

I wish I had real time to prepare, but I want just to warn people that have big expectations: read my lips, my retirement will be resumed on August 20th! *7

今回の復帰は大会期間中の5日間限定であり、他の大会への参加はないようです。

今年行われた別のインタビューでも次のように語り、本格的なチェス競技への復帰を否定しています。

I have no interest in big chess challenges. Top-level chess, especially classical chess, requires concentration and dedication. I have a million other things in my life today, from young children to books and politics. It’s not compatible with professional chess and I’m quite happy with my life.

I have no interest in big chess challenges. Top-level chess, especially classical chess, requires concentration and dedication. I have a million other things in my life today, from young children to books and politics. It’s not compatible with professional chess and I’m quite happy with my life.

Read more at:
http://economictimes.indiatimes.com/articleshow/59196987.cms?utm_source=contentofinterest&utm_medium=text&utm_campaign=cppst
I have no interest in big chess challenges. Top-level chess, especially classical chess, requires concentration and dedication. I have a million other things in my life today, from young children to books and politics. It’s not compatible with professional chess and I’m quite happy with my life.

I have no interest in big chess challenges. Top-level chess, especially classical chess, requires concentration and dedication. I have a million other things in my life today, from young children to books and politics. It’s not compatible with professional chess and I’m quite happy with my life.*8

トップレベルのチェスで戦うために必要な集中・献身と他の分野での活動は両立できないとのこと。

 

少し残念な気はしますが、チェスファンとして5日間のお祭りを楽しみたいと思います!

 

*1:チェス選手の強さの物差し。2700+で超一流プレーヤー、2800を超えると世界一が見える

*2:正式な立候補は断念

*3:イングランド出身。攻撃的なプレーと毒舌で知られる。「近代チェスはポーン構造とかそういうことにうるさい。そんなの忘れな。チェックメイトがゲームを終えるんだ」という言葉を残している。

*4:チェスでは一般的に、勝ちに1ポイント、引き分けに0.5ポイント、負けに0ポイントが与えられる

*5:全米チェス協会で採用される持ち時間の形式。広く用いられているフィッシャー・モードでは指した後に持ち時間が増えるが、「ディレイ」では決められた時間の間持ち時間が減らず、"遅れて"持ち時間が減少し始める

*6:なお、この大会ではラピッドでは勝ち2ポイント引き分け1ポイント、ブリッツでは勝ち1ポイント引き分け0.5ポイントが与えられる。

*7:

Kasparov opens USA vs. World match in St. Louis | chess24.com

*8:

Garry Kasparov: Worry about people, not jobs: Garry Kasparov

Match of Millennialsについて

  7月26日から27日にかけて、Match of Millennialsと銘打ち2000年代生まれの若手上位プレーヤーを招待したイベントが開かれます。

1.概要

イベント名 Match of the Millennials – USA vs. The World
開催地 アメリカ・ミズーリ州セントルイス
形式 アメリカ選抜チームと世界選抜チームに分かれて行う団体戦
持ち時間 90分+1手30秒加算
公式サイト Match of the Millennials | www.uschesschamps.com

公式サイトでの棋譜中継
Watch Live! | www.uschesschamps.com

2.参加選手

U17アメリカ選抜

1.Jeffery Xiong

生年 2000
所属連盟 アメリカ
タイトル GM
FIDEレート(世界ランク) 2642(125位)

・2016年全米ジュニア選手権優勝
・2016年世界ジュニア選手権優勝
・U18世界ランク2位

2.Samuel Sevian

生年 2000
所属連盟 アメリカ
タイトル GM
FIDEレート(世界ランク) 2633(145位)

・アメリカ史上最年少でGMタイトル獲得
・2017年アメリカ大陸選手権優勝
・U18世界ランク3位

3.Ruifeng Li

生年 2001
所属連盟 アメリカ
タイトル GM
FIDEレート(世界ランク) 2568(361位)

・2011年世界ユースU10準優勝
・U16世界ランク2位

4.John Burke

生年 2001
所属連盟 アメリカ
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2479(977位)

・2015年に史上最年少のFIDEレーティング2600到達者となった*1

5.Nicolas Checa

生年 2001
所属連盟 アメリカ
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2415(1889位)

・2015年世界ユースU14第5位

U17世界選抜

1.Alexey Sarana

生年 2000
所属連盟 ロシア
タイトル GM
FIDEレート(世界ランク) 2510(696位)

・U18世界ランク17位
・2017年、ロシア上級リーグに出場し5.5/9、TPR2632*2を記録

2.Haik Martirosyan

生年 2000
所属連盟 アルメニア
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2544(462位)

・U18世界ランク12位
・2016年世界ユースU16優勝

3.Anton Smirnov

生年 2001
所属連盟 オーストラリア
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2495(834位)

・U16世界ランク2位
・チェス・オリンピアードの2014年トロムソ大会、2016年バクー大会にてオーストラリア代表

4.Aryan Chopra

生年 2001
所属連盟 インド
タイトル GM
FIDEレート(世界ランク) 2491(874位)

・U16世界ランク7位
・インド史上2番目の若さでGMタイトルを取得した

5.Andrey Esipenko

生年 2002
所属連盟 ロシア
タイトル FM
FIDEレート(世界ランク) 2523(874位)

・U16世界ランク3位
・2017年、ロシア上級リーグに出場し出場者中最年少ながら5.0/9、TPR2598を記録

U14アメリカ選抜

1.Awonder Liang

生年 2003
所属連盟 アメリカ
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2536(513位)

・U14世界ランク1位
・9歳の時、公式戦でGM勝利
・既にGM取得要件を満たしており、FIDE総会での承認待ち。
・2017年全米ジュニア選手権優勝

2.Andrew Hong

生年 2004
所属連盟 アメリカ
タイトル CM
FIDEレート(世界ランク) 2334(3861位)

・U14世界ランク20位

3.Carissa Yip

生年 2003
所属連盟 アメリカ
タイトル WFM
FIDEレート(世界ランク) 2261(6728位)

・U14女子世界ランク3位
・2015年、女子選手として最年少でUSCFのNMタイトルを獲得
・2016年、2017年全米女子選手権出場

4.Martha Samadashvili

生年 2004
所属連盟 アメリカ
タイトル WFM
FIDEレート(世界ランク) 2018(28695位)

・U14女子世界ランク25位

U14世界選抜

1.Nodirbek Abdusattorov

生年 2004
所属連盟 ウズベキタン
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2467(1103位)

・U14世界ランク4位
・2012年世界ユースU8優勝
・9歳の時、ある大会でGM2人に勝利

2.Rameshbabu Praggnanandhaa

生年 2005
所属連盟 インド
タイトル IM
FIDEレート(世界ランク) 2479(976位)

・史上最年少でIMタイトルを獲得。
・Ramco社の支援を受け、世界各地の大会を転戦
・2013年世界ユースU8優勝、2015年世界ユースU10優勝

3.Bibisara Assaubayeva

生年 2004
所属連盟 ロシア
タイトル WFM
FIDEレート(世界ランク) 2386(2558位)

・U14世界ランク7位、U14女子世界ランク1位

4.Nurgyul Salimova

生年 2003
所属連盟 ブルガリア
タイトル FM
FIDEレート(世界ランク) 2332(3930位)

・U14世界ランク23位、U14女子世界ランク2位


開会式の様子(22分30秒ごろから選手紹介)

*1:ただし、この記録はFIDEがレーティングの計算方法を改訂し、若手プレーヤーのレーティングを変動しやすくしたことによって達成されたという指摘もある。この改訂によって、1900台から3ヶ月で2500を突破するような極端なレーティング上昇も発生し、議論を呼んでいる。

*2:TPR=Tournament Performance Rating。特定の大会での成績がどの程度のレーティングに相当するかを示す。

凡人チェス・プレーヤーにとってのチェスAI/ソフト/コンピューター

  近年、将棋や囲碁などゲームをプレーする人工知能が大きな進歩を見せ、大きな注目を集めています。様々な完全情報ゲームにおいて、人工知能は人間のトッププレーヤーを上回る能力を示すようになりました。

  チェスにおいては1997年にIBM社の制作した「ディープ・ブルー」が当時世界最強のチェス・プレーヤーであったガルリ・カスパロフと6番勝負を戦い、2勝1敗3分で勝利しています。この1997年の6番勝負は一般的に「チェス競技で機械が人間を超えた瞬間」とされており、今年でその時から20年を迎えます。

  ある意味において、現代のチェスは「技術的特異点通過から20年後の世界」にいます。そこが一介のカジュアル・プレーヤーであり、ファンである自分にとってどんな場所なのか、書いていこうと思います。

 

1.現代のチェス・ソフトの強さ

  現代のチェス・ソフトは非常に強力です。現在、世界トップの座を争っているソフトの「ストックフィッシュ」と「コモド」は人間のグランドマスターとの間でハンデキャップをつけた番勝負を実施しています。チェス・ドットコムではハンデキャップマッチの戦績がまとめられています。fポーン落ちや持ち時間の制限、数手指した状態からの開始などハンデがありながら人間のプレーヤーに負けたのは1ゲームだけ、番勝負でも引き分けが二度あるだけです。

 

  また、ソフトの強さを計測して公開しているレーティング・リスト*1において、現代最強のソフトたちは過去のソフトを遥かに上回る数値を叩き出しています。世界トップクラスのグランドマスターたちが戦ってなんとか勝負になっていた2000年代中盤の主流ソフト*2レーティング・リストどの程度の位置にいるのか見れば現代のソフトがその当時から長足の進歩を遂げていることは明らかです。

  おそらく、最強の無料ソフトであるストックフィッシュの最新版であれば、私の使っている大してスペックの高くないデスクトップPC*3で動かしても人間界最強のプレーヤーたちと互角以上に戦えるはずです。

 

2.ネット対局の世界

  私が主にインターネットサイトを通じて対戦サイト上でチェスをしており、OTB*4 にはたまに参加する程度です。正式なレーティングを持つトーナメント・プレーヤーではありません。趣味として楽しくチェスができればそれで十分、というスタンスです。

  あるゲームで人工知能が人間のトップを上回ると、そのゲームへの関心が減少し、プレーヤーが減るとの観測もありますが、オンラインのチェスではどうでしょうか。

 

2-1.プレーヤーは山ほどいる

  私のレベル*5ならばウェブ上でチェスの対戦相手を見つけることには不自由しません。私が主に使っている対戦サイト、チェス・ドットコムでは対戦場に常時1万人以上がログインしており、人気のある持ち時間であれば自動マッチングで対戦が組まれるまで1分もかかりません。

  レーティングが上がってくると少しずつ実力に見合った対戦相手を見つけづらくなるという話も聞きますが、FIDE*6やUSCF*7の公式タイトル保有者で公式レーティング2000を上回るプレーヤーも日常的にインターネットの対戦サイトを利用しているので、2000未満のプレーヤーが対戦相手に困ることはまずないと思います。

 

2-2.ソフト指し

  何せ、ほぼ全ての人間をなぎ倒すソフトが無料で手に入る時代です。ソフトのいう通りに指せば、あらゆる人間に勝てます。ソフト指しは大きな問題とされており、各対戦サイトはそれぞれソフト指し対策を行っていますが、全地球からアクセスするプレーヤーの行動すべてを監視できない以上、完全にソフト指しを排除できているのかどうか、確認することはできません。

  かといって、ソフトを使わない人間同士の対局は成立しなくなる、ソフト指しへの疑念からネット対局場が過疎化する、ということもありません。先述したようにウェブ上でチェスの対戦相手を見つけるのは容易いですし、ソフト指しをしない私がごく普通に勝たせてもらえます。

  画面の向こうにいる人間が全くソフト指しをしていないのかを自分で把握することはできません。しかし、少なくともソフト指しをしていない私と同レベルの指し手しか返してこない相手が多数いることは間違いないのです。趣味としてチェスを楽しむ分には問題はなく、私個人として現状に不満はありません。

 

3.ソフト先生

  私は強すぎるソフトたちを専ら解析ツールとして利用します。「ストックフィッシュ先生」や「コモド先生」が私の師匠です。

  棋譜を解析にかければ、ソフト先生は評価値を使って数字で私のミスを指摘します。「この手は成立しないのか?」と盤面を動かせば、最善の応手で成立しないことを示してくれます。24時間365日、こちらの都合に合わせて呼び出しに応じてくれます。どんなくだらないことも躊躇いなく聞けます。ありがたい個人教師です。

 

  ただし、ソフト先生にも弱点があります。ソフト先生は言葉があまり達者ではありません。ソフト先生こんな言葉しか使えません。

1.11    25. Be3 f6 26. Rad1 Qc4 27. Qxc4+ Bxc4 28. Nf5 Nxf5
1.04    25. Qf3
0.85    25. f3 Bd7 26. Be3 Nb5 27. Qd2 Nd4 28. Qf2 Qg6
0.64    25. f4 f6 26. fxe5 fxe5 27. Be3 Be8 28. Re2 Kh7

評価値の数字と、具体的なバリエーションですね。ソフト先生の言葉を解釈する作業は自分自身で行うしかありません。

  ソフト先生は減点法で指し手のミスの指摘はしっかりやってくれますが、手が広い局面でのプランの立て方や人間の脳の力で正しい手を見つける方法をアドバイスしてくれることはありません。評価値がポーン100分の1個分しか違わないバリエーションを複数並べられたり、「そんなもん、(自力で)読めるか!」という(私の目から見れば)非常に複雑なバリエーションを最善として示されたりすることはよくあります。

  この弱点こそ、今もなお人間の書いた棋書や人間のチェス指導者が必要とされる理由の一つなのでしょうね。

 

4.絶対にソフト勝てないのに、チェスをする理由

  ソフトの話をする前に、人間の話をしたほうが良いでしょう。

  世に数億人いるとも言われるチェス・プレーヤーの大多数はグランドマスターにはなれません。チェス・プレーヤーの大多数はオープニング理論の進歩、ミドルゲームでの新概念設定など「盤上の真理」の解明に貢献しません。チェス・プレーヤーの大多数はチェスで金を稼ぐこともありません。私もこの大多数の1人です。

  それでも、チェス・プレーヤーたちはチェス・プレーヤーであり続けてきました。彼らは(私は)何のためにチェスをしてきたのでしょうか?

  それはおそらく、単純にチェスというゲームを楽しむためです。

 

  いくら人工知能が強くなっても、「大多数」がチェスに向かう理由は変わらないはずです。上のほうで少々人間のトップ選手と人工知能の力関係が変わっただけです。

  これまでもこれからも、チェス・プレーヤーたちはチェスを楽しむためにチェスをするだけです!

*1:CCRLSSDFIPON

*2:ディープ・フリッツ10など

*3:CPUはCore i3です。

*4:Over the Boardの略。物理的な盤駒を使って現実世界で行うチェスのこと。

*5:チェス・ドットコムのブリッツ総合ランキングでは私より上に十数万人います。

*6:国際チェス連盟

*7:全米チェス連盟